出会いは、海の近くの職場でした。新卒で入社した同期の彼は、年上に見えて、最初は敬語で話していたのを覚えています。会社は海のすぐそばにあり、港町らしい美しい景色に囲まれたところでした。私が仕事の日には、彼は休みでも、職場の近くまで来て私を待っていてくれました。海沿いに座って話したり、海が見えるお店で食事やお茶をしたら、最寄りの駅まで一緒に歩いて行って、駅で別れるというのがいつものスタイル。
職場近くの海以外にも、私たちは海が見えるところへたくさん出かけました。記念日やクリスマスには、海と橋が見えるホテルで美味しい食事とお酒を楽しみ、一緒に海を眺めました。そしてついに私たちは、彼の両親が式を挙げたという海の見える式場で、結婚式を挙げることになったのです。
彼と一緒にアイプリモへ行くと、普段は買い物が苦手な彼が、熱心にダイヤモンドの説明を聞いたり、いろいろ試着したりと、いつになくがんばってくれました。後日、仕上がった指輪を着けようとした瞬間、リングの内側に水色のダイヤモンドが。なんと私が席を外している隙に、彼が担当の方にお願いしてくれていたのです。私たちが出会った、あの海のようなブルー。彼の精一杯の計らいに胸がいっぱいになりました。今はお互いに転職しましたが、あの海はずっと私たちのそばにあります。
(兵庫県 A.Yさん)