わが家には、婚約指輪はありませんでした。結婚当時は経済的に余裕がなかったし、私自身もそこまでこだわりがなかったからです。福祉の仕事柄、キラキラした指輪をつけることに遠慮してしまい、結婚指輪も控えめなデザインのものを選びました。
時が経ち、二人の子どもにも恵まれ、私も40歳に。歳を重ねていく中で、私はいつしか「40歳になったら自分に指輪を買おう」と心に決めていました。実はキラキラした指輪に憧れていたのです。
夫や子どもにこのことを話すと、高価な買い物なのに、みんな賛成してくれました。結婚指輪の時と同じアイプリモに夫とふたりで行こうと思っていたら、子どもたちも行きたいと言うので、家族みんなで伺うことに。どうしても遠慮がちなデザインを選ぼうとする私に「こっちの方が似合うよ!」「もっと派手なのにしたら?」とみんなが後押ししてくれて、「ウェスタリス」という名前のダイヤモンドがキラキラ輝くエタニティリングを選ぶことができました。
この日の思い出にと、家族みんなのイニシャルを刻んでもらい、世界にひとつだけの指輪が完成しました。私たち夫婦の名前の間に、子どもたちの名前をはさんで。
この指輪と、この家族が、私の宝物です。
(北海道 W. Hさん)