結婚を機に、会社を辞めようと考えている方もいるでしょう。退職する際は、報告だけでなくほかにもやるべきことがたくさんあります。
そこで今回は、寿退社のメリット・デメリットや会社に伝えるタイミング、結婚で退職する場合の一般的な流れをご紹介します。スムーズに退職手続きができるように、ぜひご覧ください。
まずはチェック!寿退社のメリット・デメリット
まずは寿退社のメリット・デメリットをご紹介します。
メリット
寿退社のメリットは、「自由に使える時間が増える」「円満に退職できる」です。
自由に使える時間が増える
正社員の場合、1日8時間は仕事に時間を費やすため、自由に使える時間が限られます。退職をすれば、その分の時間を家事に使うことができるでしょう。また、パートナーと勤務時間が合わない場合は、一方が退職することでふたりで過ごす時間を設けることができます。
円満に退職できる
寿退社であれば、円満に退社できることもメリットです。これまでお世話になった会社を退職するのは気が引けますし、なかには退職に対して良い思いをしない方もいるかもしれません。寿退社なら周囲からの理解を得やすいため、スムーズに退職することができます。
デメリット
寿退社のデメリットは、「収入が減る」「社会との関わりがなくなる」「キャリアにブランクができる」です。
収入が減る
退職すると、当然ながら収入が減ります。家計の状況によっては、節約を意識しなければならなくなるでしょう。結婚後は何かと物入りになるので、退職するかどうかはふたりでよく考えて話し合っておくことが大切です。
社会との関わりがなくなる
寿退社のデメリットに、社会との関わりがなくなることが挙げられます。仕事をしているときは後輩や同僚、上司と関わる機会があるため、孤独を感じにくいと言えます。一方で、会社を退職すると基本的に自宅で過ごすことになり、パートナー以外の人との関わりが薄れてしまいます。これにより、孤独を感じる方も少なくありません。
キャリアにブランクができる
退職後、しばらくほかの会社に入らない場合はキャリアにブランクができます。期間が長いと転職で不利になる可能性があるので、再就職を視野に入れている方はなるべく期間を空けないように注意が必要です。
結婚で会社を退職する場合はいつ伝える?
結婚で会社を退職する場合は、できる限り早めに伝えるのが良いでしょう。どんなに遅くても、3ヵ月前までに伝えるのが望ましいと言えます。ただし、3ヵ月前でも繁忙期の考慮も必要です。パートナーの転勤など、急いで退職しなければいけないわけではないのであれば、なるべく落ち着くタイミングに退職すると良いかもしれません。
結婚は自分のタイミングでするものですが、会社を退職する以上、どうしてもほかの方に影響が及びます。できる限り人に迷惑がかからないよう配慮することで、円満に退職できるはずです。
結婚で退職する場合の一般的な流れ
結婚で退職する場合の一般的な流れは以下の通りです。
・会社に報告をする
・仕事の引き継ぎをする
・関係者にあいさつ回りをする
・退職届を提出する
・身の回りを整理する
・最後のあいさつをする
・必要な書類を会社から受け取る
会社に報告をする
結婚が決まったら、まずは上司に報告しましょう。退職は、できれば3ヵ月程度余裕を持たせるのが理想です。しかし、会社や部署によっては、業務の引き継ぎや後継者を募集するなど調整が必要な場合もあります。そのため、3ヵ月前の報告では引き継ぎが終わらず、結果として後継の人に迷惑がかかってしまうこともあるかもしれません。そうなってしまっては、せっかく結婚という晴れやかな理由で退職するのに、周囲に責任感のない人と良くない印象を持たれてしまいます。
周囲に迷惑をかけずに退職するためには、しっかりと上司と相談して辞めるタイミングを決めるのがおすすめです。
仕事の引き継ぎをする
上司に報告を済ませたあとは、仕事の引き継ぎを行っていきます。余裕がある場合は、マニュアルを作成しておくと良いでしょう。マニュアルがあれば、仮に退職後に不明な点があった際にも後継者に対応してもらうことができます。
関係者にあいさつ回りをする
社内・社外の関係者に退職する旨を伝えるため、あいさつ回りを行いましょう。社外にあいさつ回りをする場合は、上司や後継者の方と一緒に回るのがおすすめです。
関係者へのあいさつは、直接口頭で行うことが一般的です。しかし、退職までに先方とのスケジュールが合わない場合は、メールであいさつをすると良いでしょう。
退職届を提出する
続いて、退職届を提出します。退職届と封筒の一般的な書き方は以下の通りです。
退職届の一般的な書き方
会社によっては、所定のフォーマットが用意されていることがあります。まずは、そういったものがないか調べてみましょう。ない場合には、自分で紙を用意します。白地の紙や、シンプルな白の無地の便箋でも良いでしょう。
筆記具は、黒のボールペンや万年筆を使います。このとき、消せるタイプのボールペンを使用するのはやめましょう。
退職の理由は「自己都合」と「会社都合」の2通りありますが、結婚は自分の都合(自己都合)なので、退職理由は「一身上の都合」となります。会社都合とは、会社が倒産した場合やリストラなどで解雇された場合に使用するものです。
基本は縦書きで、一番右の中央に「退職届」、2行目の一番下に「私事」と書きます。3行目から本文に入り、「このたび一身上の都合により、」で始め、次の行に「(令和など年号を入れる)〇年○月○日をもって退職させていただきたく、」、次の行に「ここにお願い申し上げます。」と書きます。
そして、1行空けて、提出日を年号、月、日の順で入れましょう。次の行に部署名と氏名、1行空けて会社名、次の行に代表者名を書き、氏名の下に押印します。このときに気をつけたいのが、会社名についてです。株式会社などの場合には、(株)と省略せず、きちんと正式名称で書きましょう。また、代表者名は自分の名前よりも上に位置するように書きます。「様」もしくは「殿」をつけるのを忘れないでください。
退職届の封筒の書き方
退職届の用紙と同様に、封筒も白の透けないものを選ぶのがおすすめです。退職届は手で渡すものなので、郵便番号の赤枠が印字されているものは避けましょう。
封筒の表書きは「退職届」、裏面には、自分の部署と氏名を記入します。書き終わった退職届を封筒に入れる際には、3つ折りにします。そして、上司に手渡すものなので、封をする必要はありません。
身の回りを整理する
退職日が近くなったら、身の回りを整理します。自身が使用していたデスクやロッカーなどに、私物を残さないようにしましょう。また、パソコンのデータも使用しないものがあれば、削除しておくのがおすすめです。
最後のあいさつをする
最終日には、最後のあいさつを行います。その際、必須ではありませんが感謝の気持ちを伝えるためにクッキーや焼き菓子などのお菓子を持って行くと良いでしょう。お菓子を渡す際は、職位の高い順からが基本です。
会社によっては、風習で渡せない場合もあります。その場合は、あいさつだけを行います。
必要な書類を会社から受け取る
転職や年末調整を行う際など、以下の書類が必要になります。
・雇用保険被保険者証
・離職票
・健康保険資格喪失証明書
・源泉徴収票
・年金手帳
基本的に事務の方が準備をしてくれるので、必要書類を受け取りましょう。
まとめ
結婚の退職は自己都合として扱われます。退職時には、業務の引き継ぎや後継者探しをしなければならない場合もあるでしょう。残された人たちに迷惑をかけないのが、お互いに心地良く退職するためのコツです。
プロポーズを受け結婚が決まったら、早めに上司へ報告と相談をすることを忘れないでください。そして、きちんと退職届を書き、マナーに則って誠意ある態度で退職届を提出しましょう。