もう悩まない・迷わない指輪選びのキホン
ポイント
「ファッションリングならまだしも、高価な婚約指輪となれば彼の懐具合も気になるし、何を基準にどうやって選んだらいいか分からない…」。こうした悩みを抱えているプレ花嫁さんってきっと多いですよね。そこで、今回はアイプリモ銀座本店のジュエリーコーディネーター加藤みほさんに、後悔しない婚約指輪の選び方を伺ってみました。
ブライダル専門ブランドでもあるアイプリモは婚約指輪のデザインだけで70種類。ずらりと並ぶ指輪を見ているだけで目移りしてしまいます。加藤さんいわく、「まずは、あまり深く考えずに、『いいな』と思った指輪を手にとってみてください」。
最初の指輪を手にした段階で、加藤さんはお客さまにこんな質問をします。第一印象で気になったものを基準値にし、“運命の指輪”をたぐりよせていくのだそう。
「この指輪のどんなところがお気に入りですか?」
答えは人によってさまざま。「シンプルなデザインがなんとなく目を引いて…」「今までに見たことのないデザインだから」「見た瞬間に可愛いなと思って」。
“シンプルなもの”“他にはないデザイン”“可愛らしい雰囲気”。何気なく選んだ指輪から浮かび上がったキーワードをもとにしながら、婚約指輪として本当にふさわしいものを選んでいくと間違いがないのだそう。
第一印象で選んだ指輪で自分の傾向を掴んだら、次は実際に婚約指輪をつけるシーンをイメージ。加藤さんによると、パーティのお呼ばれなど特別な日につけたいのであれば、ドレスアップした姿にも映える華やかで目立つデザインがおすすめだそう。例えば、最初に手に取った指輪がダイヤモンドを一石のみあしらったソリテールタイプだとしたら、「フォーマルハウト」のようなセンターダイヤモンドをメレダイヤモンドでぐるりと囲むようなデザインにすると、ダイヤモンドの輝きに荘厳さが加わり、気品ある華やかさを楽しむことができます。
センターダイヤモンドだけでは物足りなさを感じるなら、「コロナーレ」のように、アームにメレダイヤモンドを連ねたようなデザインもぜひ試してみて。指輪全体がダイヤモンドのきらめきを放ち、きめ細かい輝きが自分の指を包み込む姿は、見ていてうっとりしてしまいます。普段はつけずに、特別な日のつける指輪であれば、“華やかさ”を選択肢に加えてみてはいかがでしょう。
逆に、仕事やプライベートなど、日常でも使いたいのであればダイヤモンド部分が引っ掛かりにくいデザインで、落ち着いた雰囲気のものがおすすめ。「とはいえ、せっかくの婚約指輪ですから、特別感のあるデザインもぜひ試してみてください」と加藤さん。
シンプルなソリテールタイプをデザインアレンジしたものとして人気が高いのが「ポラリス」。センターストーンの両サイドに小さなダイヤモンドをあしらったデザインはシンプルななかにさりげない華やかさを感じられて、「嫌味のないゴージャス感」という言葉がぴったり。サイドのダイヤモンドがセンターダイヤモンドのサイズ感をアップさせてくれるという利点もありそうです。
また、普段使いするならファッションリング寄りの指輪を選んでみるのも一案。例えば、ゆるやかなウェーブを描くアームとセンターダイヤモンドを引き立てるように5石のメレダイヤモンドがあしらわれた「プルート」。メレダイヤモンドを片側だけにデザインするという、いい意味での“はずし”がさりげない遊び心を感じさせます。ゆるぎない王道に、ほんの少しの遊びを加えることで自分らしさを表現できそうです。
「ここで忘れてはならないのが婚約指輪は“男性からの贈り物”ということです」と、釘を刺す加藤さん。「キミの好きなデザインを選んでいいよ」という言葉を鵜呑みにして、彼の意志を置き去りにしてしまう人も少なくないので、そこは要注意。
婚約指輪選びの主導を任されたとしても、彼を立てて、「どれがいいと思う?」「どれが私に似合うかしら?」の問いかけは忘れずに。もちろん、彼の好みと自分の好みがすべて合致するわけではありません。そうした場合こそ、中立的な立場でプロの視点を持ったジュエリーコーディネーターの力を借りるべき。
「例えば、女性が王道のソリテールを選んだのに対して、男性が『もう少し華やかなほうがいいんじゃない?』とおっしゃったときは、『ステキですね! どんなシーンで彼女にこの指輪をつけてもらいたいですか?』と逆に質問をしながら、男性側のこだわりを聞いていきます」(加藤さん)
単なる好みだけではなく、言葉の裏側に隠された男性の願望などを聞き出してくれるのもプロのコーディネーターならでは。女性から「なんで?」「どうして?」と聞くよりも角が立たず、お互いに納得できそうです。お互いの好みが割れそうなときこそ、経験豊富なジュエリーコーディネーターのいるブランドを選ぶというのは重要なことかもしれません。
ファーストインプレッションを元に、“どんなシーンにつけたいか”や“彼の希望”などに応じて、いくつかのリングを試着したら、そろそろ決めどき。
「最終的な落としどころは、デザインよりも“想い”を大切にして頂きたいです」と加藤さん。加藤さんの言う「想い」とは、女性が「この指輪を一生大切にしていきたい」と感じること。そして、男性が指輪を試着している彼女の幸せそうな顔を見ながら「彼女のこんな幸せな笑顔をずっと見られるように、自分もこれからさらに頑張ろう」と思えること。いっときの勢いや単に予算に照らし合わせてシステマチックに選ぶのではなく、ふたりがその指輪を通して、今の幸せだけではなく、これから先の幸せも感じられることが大切なのだそう。
婚約指輪のデザインだけではなく、センターダイヤモンドを選ぶときも同様。
「色みや輝き具合など、それぞれに個性があるダイヤモンド一粒一粒の中から『なんか、このダイヤモンドいいよね』とお互いに思えるものを見つけたときの感動をぜひ味わってほしいです」(加藤さん)
特にダイヤモンドは財産として価値あるもの。それだけに、婚約指輪をじっくりと選ぶことはとても大切なのだそう。アイプリモでは、家に帰ってからふたりで吟味できるように、候補に挙がった指輪の写真や特徴、4Cのグレード、価格などを印刷したカードを渡してくれます。後悔することがなく、ふたりが笑顔になれる指輪に出会えるためのきめ細かいサポートも嬉しいものですね。
好きという主観だけでなく「似合う」という客観的な視点でも選んでほしいから。パーソナルハンド診断ではプロが客観的な分析を行います。
一生もののリングにふさわしいストレスフリーな装着感。着けていることを忘れるほど指に自然になじむ軽やかな着け心地を確かめてほしい。