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結婚前に行う結納ですが、どのような意味があるのか、どのようなことをするのか具体的に知っていますか。結納という言葉は知っているけれども詳しい内容は知らない、必ずしなければいけないのかなどと悩んでいるという人も多いでしょう。今回は、結納とは何か、顔合わせとの違い、マナーやメリット・デメリットなどについて解説します。
結納とは、結婚の前に行う儀礼的なものです。結納では、結納金をはじめとするさまざまな品目の取り交わしが行われるのが一般的でしょう。結納品の取り交わしの際には、納める品物を記した目録を渡すことが通例となっています。
結納には、一般的に「正式結納」と「略式結納」の2種類があります。どちらを選択するかによって結納の進め方が異なるので、以下にて押さえておきましょう。
正式結納
正式結納では、仲人が両家を行き来するのが一般的です。仲人が結納品や結納金の受け渡しを行うため、両家が集まる必要はありません。
なお、結納品は9品目が正式とされていますが、「5品目」「7品目」でも良いと言われています。結納品の内容や流れは「関東式」「関西式」のどちらかによって変わるので、併せて押さえておきましょう。
関東式
お互いに結納品を贈りあうことが特徴です。結納金については、もらった金額の半額程度を「御袴料」として贈ることが多くなっています。結納品を贈りあって交換することから、「結納を交わす」と言うのです。この場合、贈る側は目録を用意し、受け取る側は受領書である受書が必要になります。
関西式
交換するのではなく、一方がパートナーに贈ることが多いようです。関東式のように結納金の半返しをしないのも特徴でしょう。もらった側は結納金の1割程度を家族へのお土産として、後日持参するのが一般的です。関西式ではどちらか一方が結納品を贈ることから、「結納を納める」と言います。
関東式、関西式どちらかの進め方で結納を行うことが一般的ですが、地域によっては独自の風習がある場合も多くなっています。
略式結納
略式結納では、料亭やレストランなどの会場に両家が集まって結納を行います。正式結納と違って仲人を立てる必要がなく、結婚するふたり、もしくは両親が進行するのが一般的です。
結納品に関しては「5品目」「3品目」と減らしても良く、形式的に受け渡しを行います。結納が終わったあとは両家の交流を深めるため、食事会を行うことが多いようです。
結納は儀礼的なものですが、顔合わせは歓談のために設けられるのが一般的です。
結婚する当人が家族を招いて顔合わせを行う場合には、どちらか一方があいさつや進行をすることが多いようです。当人ではなく親が主催の場合には、どちらか一方の父親があいさつなどをするのが一般的でしょう。
ただし、結納を簡素化して顔合わせと兼ねて行うことも増えつつあります。このため、結納と顔合わせの境界線が曖昧になっていると言えるでしょう。
顔合わせは料亭やレストラン、ホテルなどを予約して婚約指輪の授受やお披露目を行う場合もあります。
結納と顔合わせ食事会、どちらを行うべきなのか迷う方もいるでしょう。
ハナユメが行ったアンケートによると、結納と顔合わせ食事会どちらも行った人が15.7%、結納のみを行った人が5.2%、顔合わせ食事会のみを行った人が69.5%、どちらも行っていない人が9.7%という結果になっています。
上記のデータを見ると、結納を行った人は約2割と、行わない人のほうが多い傾向にあります。とはいえ、結納を行わなくても良いというわけではありません。ご両親によっては結納を希望する方もいるので、両家で話し合ってどうするかを決めるようにしましょう。
なお、結納にかかる費用相場は10.2万円、顔合わせ食事会にかかる費用相場は6.4万円となっています。結納はホテルや結婚式場などの結納パックを利用する方が多いため、顔合わせ食事会に比べて費用が高くなっています。顔合わせ食事会は主に料亭や個室のあるレストランで行われることが多く、場所によって費用は異なります。
結納を実施することになったら、日程や場所などを早めに決めていかなければなりません。そこで以下では、結納準備をスムーズに進められるよう当日までに決めておきたいことをご紹介します。
①日程
結納の日取りは、一般的には吉日を選ぶものだとされています。大安や友引といった日取りを選ぶようにすると良いでしょう。さらに日取りにこだわりたい場合には、天赦日や一粒万倍日などを選ぶ人もいます。基本的には吉日を中心に選んでいくものですが、両家の事情を考慮してすり合わせを行うことも大切です。吉日だから良いだろうとすり合わせせずに安易に決めてしまうと、結婚後に溝ができてしまうこともあります。お互いの家の事情をしっかりと考えて日取りを選ぶように注意しましょう。
②場所
結納を行う場所を決める際は、「両家の実家の場所」を考慮する必要があります。もし両家の実家の場所が近い場合は、どちらか一方の実家か近くのレストラン、料亭を選ぶと良いでしょう。
両家の実家が遠い場合は、中間地点、またはおふたりが暮らしている地域にあるレストランや料亭を選ぶのがおすすめです。実家から遠い場所を結納会場に選ぶとご両親に負担をかけかねないため、足を運びやすい場所を選びましょう。
③形式
結納を実施する場合は、正式結納と略式結納どちらにするかを決めましょう。また、正式結納にする場合は関東式か関西式かを決める必要があります。前述したように、関東式はお互いに結納品を交わし、関西式はどちらか一方が結納品を贈るため、両家で話し合って決めることをおすすめします。
④服装
結納の際の服装は、基本的に正装です。スーツやワンピースの着用が一般的ですが、両親がモーニングや訪問着などを選ぶ場合があります。結納は全員で服装の格を合わせないといけないので、両親と事前に相談して合わせるようにしましょう。
なお、色に関しては黒を選ぶと喪服をイメージさせてしまうので、明るい色を選ぶのがおすすめです。
⑤結納品
結納品は、「寿留目(するめ)」「子生婦(こんぶ)」「勝男武士(かつおぶし)」などの縁起物を9品目、もしくは7品目・5品目・3品目の奇数で揃えるのが一般的です。地域によっては結納品の内容や品目数が異なるので、事前に両家に相談して確認しておきましょう。
⑥結納金
結納金はどのくらい包むものなのかわからないという人も多いのではないでしょうか。結納金の相場はいくらかという調査では、100万円前後という回答がもっとも多くなっています。ついで、50~100万円の間が多いので、相場としては50~100万円前後だと思っておけば良いでしょう。結納金は奇数で贈るのがマナーだとされていますから、50万円、70万円、90万円というように偶数にならないような金額を包んでください。また、結納金を贈るのは、結納を取り交わす場合のみです。結納はせずに顔合わせで済ませるというときには、婚約指輪を贈るケースが多いでしょう。
結納を行うメリット、デメリットはいくつかあります。
まず、メリットのひとつめは、両家のいずれかが儀礼的なことを重んじている場合に、安心してもらえるということでしょう。儀礼的なものを重視しない家もありますが、結婚にあたってしっかりと段階を踏んでいきたいと考えている家も多くあります。そのような場合には、結納もきちんと行いたいと考えている場合が多いのです。その要望に応えることで安心してもらえて、今後の関係も良くなります。
結婚についての責任が固まって、前向きになれるというメリットもあります。結納を行うことで、結婚するのだということを実感しやすくなりますし責任感も芽生えるでしょう。ふたり二人の気持ちだけでなく、両家の結婚に対する思いも高まります。
また、お互いの結婚への意識を再確認できるのも良い点です。漠然と結婚に向かっていたものが、結納をすることでしっかりとした現実感を持つことになり、お互いの意思を改めて確認できるきっかけになります。
デメリットとしては、お金がかかるということです。結納には、結納金をはじめとしてさまざまなお金がかかります。費用が多くかかるので、結婚後の新居や生活面にお金をかけたいと思っている人にとっては大きな負担になってしまうのです。余計な出費が増えることから、結納をしないという選択肢を選ぶ人も少なくはありません。
結婚は当人だけでなく、家同士の結びつきです。しかし、結婚するにあたって一番大切なことは気持ちです。結納とは儀式ですから必ずしなければいけないわけではありません。形にこだわらずに、お互いの気持ちの確認として指輪の交換をする、顔合わせと併わせて簡略化して行うなど、自分たちに合った形を選びましょう。
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